家庭菜園を始めたきっかけと、私の一年目

私はどちらかというと都会育ちで、子供の頃から土いじりとは無縁の生活をおくってきました。そんな私が家庭菜園を始め、ここまでハマった大きな転機になったのは、小さな庭のある家に引っ越したことです。

オーストリアでは、家庭菜園はかなりメジャーな趣味です。庭が無くともベランダ菜園を楽しんだり、畑を借りたり、老若男女問わず人気の趣味と言えるでしょう。私の義両親はオーストリアの田舎住まいなのですが、例に漏れず広い庭いっぱいに毎年たくさんの野菜や果物を育てています。専用の温室を自分たちで建てるほど庭仕事に力を入れています。

義父の鶴の一声

「新居にせっかく庭があるなら、家庭菜園を始めたら?」我が家の家庭菜園は、義父のこの一言から始まりました。実はこのとき、私と義父の間では家庭菜園に対するイメージに大きな差がありました。私が想像していたのは、テラスにいくつか鉢を置いて、ハーブとか、夏にはミニトマトを育てたら楽しそう、くらいのものでした。しかしDIY好きな義父は、すぐにコンテナ式の畑の建設プランを持って来て、そんなに大規模に始めるつもりは一切なかった私はかなり驚きました。ですが夫も賛成していましたし、私も特に裏庭の使用法が他に思いつかなかったため、義父主導で畑を作ることになりました。

コンテナ式の畑とハーブコーナー

義父が作ってくれた畑がこちらです。こういうコンテナ式の畑は、オーストリアの家庭菜園ではかなりポピュラーです。この畑については、また詳しく書きたいです。しかしこの畑、小柄な私には背が高すぎるので、快適に作業ができるように踏み台を作ってもらいました。

義父はコンクリートのブロックでハーブコーナーも作ってくれました。あとは苗を植えるだけ。家庭菜園を始める土台を作ってくれた義父にはとても感謝しています。

初めての収穫

畑が全て完成したのは5月。春野菜のシーズンは逃しましたが、ちょうど夏野菜の苗が出回る時期で、初心者の私が始めるにはピッタリの季節でした。

園芸店で色々な野菜の苗や種を買って植え、楽しみに待つこと約2週間。初めて収穫したのはセイヨウアサツキでした。もともと買ってきた苗が少し成長しただけでしたが、自宅の庭で育てた採れたての野菜をを食べる体験はとても新鮮で、当時の喜びは今でもよく覚えています。すでに育った苗を植えるのは、収穫するまでそんなに待たなくても良いので、初めての家庭菜園にはピッタリのやり方だと思います。

初夏から秋口にかけては正に収穫ラッシュ。キュウリ、トマト、パプリカにナス…、毎日次々に野菜が食べごろをむかえ、小さいスペースでも驚くほど大量の野菜やハーブを収穫することができました。

一年目を終えて

11月中旬、ポロネギの収穫を最後に畑に残った植物をすべて片付け、私の家庭菜園1年目が終わりました。基本の畑づくりを義父がほぼ全てお膳立てしてくれたので、私は植えて水をやるだけのお気楽な1年だったのですが、収穫の喜びもさることながら、毎日庭に出て野菜の手入れをし、観察する時間にとても癒されている自分に気がつきました。なんとなく始めた家庭菜園でしたが、いつの間にか私の生活の一部になり、またシーズンが始まる春を心待ちにするようになりました。こんなに春が来るのが楽しみなのは、人生で初めてかもしれません。

そして現在3月、基本的な畑の準備を終え、2年目の家庭菜園がスタートしました。ウィーンの気温はまだまだ低く、外でできることは少ないのですが、去年の反省を生かしつつ自分らしい庭づくりを楽しみたいと思います。

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ローリエ(月桂樹)を購入。栽培と利用方法

ローリエの木を購入

先日訪れた園芸店でローリエの木を購入しました。木といっても高さは30cmほど、幹もまだヒョロヒョロの若木です。オーストリアの大型園芸店では、私が購入した30㎝程度のものから1メートル超えのものまで、たくさんの選択肢がありました。ひとめぼれして買ったので、事前情報は木についていたタグのみ。帰宅後に栽培方法を調べました。

ローリエの栽培方法

ローリエは明るく風通しの良い環境を好みます。日向が好きですが、半日陰でも問題なく育ちます。地中海が原産地なので、耐えられる寒さは約0℃まで。オーストリアでは屋内で越冬させる必要があります。水はけの良い土を好みますが、特に鉢植えの場合は水切れを起こさないように注意が必要です。剪定は3月に行い、春から秋にかけては定期的に肥料をやります。常緑樹なのでいつでも収穫できますが、5月から10月の間がベストです。厚く、しっかりした2年目以降の葉を収穫します。挿し木で増やす方法が一般的です。これはいつか挑戦してみたいです。基本的に、あまり手がかからなそうですね。

参考文献:Renate Hudak, Kräuter, GRÄFE UND UNZER VERLAG GmbH, 2005

ローリエを料理に使用 生で使う?乾燥させて使う?

オーストリアのスーパーで売られている乾燥ローリエ。右下は摘みたての葉です。

採れたての新鮮なローリエを使うか、それとも乾燥させたローリエを使うか…、ローリエの木が自宅にある場合だけの贅沢な悩みですね。多くのハーブ類は、採れたてが香りも味も最も強く、使うのにベストな状態だと言えるのですが、ローリエの場合は少し勝手が違います。

一般的にローリエは乾燥させて使いますが、新鮮な方が香りと味がより良いと書いてある文献も、逆に生のローリエを長く煮込むと、灰汁とえぐみが出て良くないと書いてある文献も目にしました。

香りを比べると、乾燥ローリエの方が強く香ります。そして乾燥ローリエがまろやかな香りに対し、新鮮なものは酸味と、少し青臭さを感じます。どちらを利用するのかは、個人の好みによるところが大きいのかもしれません。個人的には、乾燥ローリエの香りが好きです。煮込んだ際の味と香りの比較も、いずれ試してみたいです。

ローリエを乾燥させる

収穫した葉をサッと洗って水気を取り、乾燥した場所で2週間ほど乾かす方法が一般的なようですが、レンジを使用したり冷凍させたりと、他にも色々なやり方があるようです。いずれたくさん収穫できたら色々な方法を試し、香りや質感の違いなどを比べてみたいです。

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レモンの収穫と植え替え

レモンの収穫

こちらの写真は我が家で初めて収穫をむかえたレモンです。去年初めて家庭菜園デビューした際、訪れた園芸店でひとめぼれして買った小さなレモンの木、まさか一年目から収穫できると思っていなかったので本当に嬉しいです。

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実が大きく育たなかった原因

一年目で沢山のレモンを収穫できたことはもちろん嬉しいのですが、反省点もあります。このレモンたち、大きいものでライムサイズ、小さいものだとスダチサイズなのです。実が小さくなった原因はおそらく二つあります。

  • 摘果をしなかったこと
  • 肥料を与える頻度が低かったこと

一つ目の課題は摘果です。すでに成っている青い実を取ってしまうのは、とても勇気がいります。残した実が落ちてしまったら?などと心配になって全部残しておいた結果、スダチサイズのレモンになってしまいました。我が家のレモンの木の大きさだと、一枝に一果くらいにしておいた方が良いようです。

二つ目の課題は肥料です。特に春から秋にかけてかなり頻繁に肥料を与えるべきなのを知らず、わずか一度しか与えませんでした。我が家のレモンは完全に栄養失調だったようです。オーストリアにも柑橘類専用の肥料(ほとんどが液肥)が売らてているので、今シーズンはきちんと活用します。

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レモンの植え替えと越冬

頑張って実をつけたまま冬越ししてくれたレモンの木です。本来は3月まで実をつけたままにすると木の負担になってしまうらしいので、来年はもう少し早く収穫します。

レモンの植え替えは3月から6月が適しているようです。我が家のレモンも一回り大きい鉢に植え替えました。植え替えの際は柑橘類専用の土を購入、使用しています。外はまだ寒いので、もうしばらく屋内で過ごしてもらいます。

日本の大部分で地植えが可能なレモンですが、オーストリアの冬はレモンにとって寒すぎるので、地植えは基本的にできません。でもレモンの木は毎年園芸店で大量に売られていて、大人気です。冬が寒くて長いので、南国への憧れがあるのでしょうか…。レモンの花は、まさに南国の香りがします。

屋内で冬越しさせる植物の置き場、どこにしようか困りませんか?レモンは常緑樹なので、冬の間の観葉植物としても優秀かと思います。しかし我が家には小さい子供がいるため、地下の階段下に追いやられていました。幸い真上に天窓があるので、多少なりとも日光が当たる環境でしたが、葉の色が薄くなり、実はほぼ緑色のままでした。いくら冬場は休眠モードになるといっても、日光は大切ですね。明るい窓辺に置いて、少し追熟させてからいただこうと思います。レモンの加工については、また記事にする予定です。

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レモンの品種

レモンの木にぶら下がっていた説明書です。”Femminello Carrubaro”という種(フェミネロ種)でイタリア原産です。リスボン種やユーレカ種の栽培が大多数を占める日本での栽培は、あまりメジャーではないようですね。裏面は手入れ仕方が4か国語で書かれています。

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家庭菜園 3月の種まき

畑の土の準備が整えば、いよいよ種まきの開始です。オーストリアでは3月から4月にかけて種まきを始めるのが一般的かと思います。

まずはお園芸店へ買い出しに行きます。表庭に飾る花も含め、カートいっぱいに買いました。オーストリアの園芸店については、いずれまた詳しく記事にまとめたいです。

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こちらが3月に植える種です。去年の残りの種も出してきました。

  • にんじん
  • ほうれん草
  • ディル
  • ラディッシュ
  • 水菜
  • ラベンダー(室内)
  • 玉ねぎ(球根)
  • クマニンニク(収穫は来年)
  • イタリアンパセリ

今回の種まきは以上の8種です。それに加えて苗の植え付けもします。

  • コールラビ(蕪の一種)
  • ルッコラ
  • セイヨウアサツキ
  • セージ
  • オレガノ

こちらの5種は、苗で買いました。種から育てず苗で買えば多少割高ですが、一株のみ必要な場合、成長が早く失敗も少ないので便利です。

種まきと植え付け後の畑です。まだスカスカで寂しいですね。今回の買い出しで、畑に刺すネームタグをすっかり買い忘れてしまいました。種をまいた場所は計画ノートにまとめてあるので分からなくなることはないですが、その場でパッと見分けがつかないと多少不便ですね。

こちらはハーブコーナーです。アサツキ、オレガノ、セージ、クマニンニク(種)、レモンバーム(去年から)、ミント(去年から)を植えてあります。多年草のハーブを集めてみました。これらはオーストリアではかなりメジャーなハーブで、どこの園芸店でも見かけます。

まだ土が剥き出しでかなり殺風景ですね。周りの芝も枯れてしまっています。このハーブコーナーも、今後まだ改装予定です。ブロックを階段状に積み上げて、ハーブの段々畑を作ることが目標です。

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下の写真は青じそです。種を採取するため、あえて枯れた株を処分せずに残してありました。

種を拾い集めて小さな鉢にまきました。暖かい室内で発芽を待ちます。オーストリアでは日本の青じそは本当に貴重品です。紫蘇という名前で売られている植物は、あるにはありますが匂いもあまりせず、何かが違います…。我が家の紫蘇は、去年友人から発芽したばかりの株を譲って貰ったものなので、日本の青じそそのものです。どうか発芽して、無事に育ってくれますように。祈る気持ちで見守ります。

これで3月の種まきと植え付けはすべて完了です。

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小さなローリエの木、園芸店でひとめぼれして買いました。

家庭菜園の準備 畑に土を入れる

3月上旬、ついに今年も家庭菜園の準備が始まりました。

我が家の家庭菜園は義両親の力に支えられている部分がかなり大きいのですが、今回も義父が一肌脱いでくれました。

義両親はオーストリアの田舎に住んでいて、お隣は農家。そこから畑用の土を毎年仕入れていて、今回は私たちにも分けてくれました。

この牽引トレーラーから、まずは一輪車に土を移して庭まで運搬。そして家庭菜園用の畑にスコップで入れます。我が家の畑はコンテナ式(高床式の畑。ドイツ語ではHochbeetと言います)。土を腰より上に運び上げなければいけないので、かなりの重労働です。

これも義父のお手製

こちらが我が家のメインの畑です。私の胸の高さまであって奥まで手が届かなかったので、踏み台をつけてもらいました。こちらのコンテナ式の畑については、また別に記事を書く予定です。

一輪車2台、大人二人で作業を続け、ようやくいっぱいにすることができました。

土入れ前。かなり沈んでいます。
土入れ後。

土に混ぜてある白い砂利のようなものは牛の角を細かく砕いたもので、ドイツ語でHornspäneと言います。ゆっくり作用する肥料の一種です。

これで一番の重労働にして一番の要、土が畑に入りました。かなり上まで入っていますが、ここから10cmほど沈むことを計算に入れてあります。

畑以外の鉢にも土を入れました。

鉢植えがズラリ。いずれ改装したいです。

これで土の準備は完了。いつでも苗を植えられます。

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